ぜひ見てほしい!
 奈良の仏像7選+1 

奈良のお寺と言えばやっぱり仏像!

でも、「仏像とかよくわかんないし…」という方は多くいらっしゃると思います。

ここでは、仏像にあまり詳しくない私でも「この仏像、なんかええやん!」と感じた仏像を7つ(+1)ご紹介します。

個人的なフィーリングに任せた偏った内容になっていますが、ご参考になれば幸いです。

よつぐ
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基本的に仏像は撮影禁止で、書籍やパンフレットにも著作権があるため仏像の写真がすべて載せられません。
ぜひ現地で実物をご覧ください!

気になった仏像をいつでも見ていただけるように、特別拝観時しか見られない仏像はあえて取り上げていません

「奈良の仏像」と言えば、おそらく皆さん最初に思い浮かべるのが東大寺の大仏さん(正式には『盧舎那仏(るしゃなぶつ)坐像』)じゃないでしょうか?

東大寺の大仏さんの基本データはこんな感じです。

  • 分類:国宝
  • 技法:銅造
  • 年代:奈良~江戸時代
  • 像高:1498cm
  • 場所:金堂(大仏殿)
  • 初めて見た時の感想:デ~っカ~~

「いきなり東大寺の大仏とかありきたりすぎるやんけ!」と思われるかなと思ったので、正直言いましてこれを取り上げるか迷いました…

ただ、よくある「おすすめジャズ名盤」みたいに、玄人向きのものばかりで「いまいちよくわからん」となってしまうのも困るので、まずはオーソドックスなものを取り上げました笑

何でもそうですが、やはりファーストインパクトって大事です。

「見た目が9割」なんていうのもありましたから、そういう意味では奈良の大仏さんの見た目(圧倒感)に敵うものはないでしょう。

東大寺の大仏さんはあなたの期待を裏切りません!

私と同じ、「デ~っカ~~」って思うはずです笑

よつぐ
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日本人って古来からデカイとか金ピカとか、インパクトのあるものが好きなんですね笑

東大寺の歴史や見どころ、アクセスについて知りたい方は下記の記事もぜひ参考にしてみてください!

飛鳥寺(明日香村)・『釈迦如来坐像(飛鳥大仏)』

こちらもありきたりと言えばありきたりですが、飛鳥寺の『釈迦如来坐像』、通称「飛鳥大仏」もぜひとも見ていただきたいです。

飛鳥寺『釈迦如来坐像(飛鳥大仏)』の基本データはこんな感じです。

  • 分類:重要文化財
  • 技法:銅造
  • 年代:推古17年(609年) ※補修歴多々あり
  • 像高:275.2cm
  • 場所:本堂(安吾院)
  • 初めて見た時の感想:意外とデカイねんなぁ~

何と言ってもこちらの「飛鳥大仏」は日本最古の仏像と言われていて、いわば日本仏像の起源とも言えるものなので必見です。

よつぐ
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写真で見ると小さく見えますが、実際に見ると大きく感じました

「仏像」というと丸顔でぽっちゃり、そして中性的なお顔立ちが多いですが、こちらの飛鳥大仏は面長で結構オッサン顔です笑

初期の仏像ってこういう顔立ちだったんだなぁとわかる作品になっています。

ちなみに、こちらの飛鳥大仏の作者は鞍作止利(くらつくりのとり)で、鞍作止利はこの他にも法隆寺金堂の『釈迦三尊像』や、法輪寺の『薬師如来坐像』も作っていて、みなさんだいたい共通したお顔立ちになっています。

よつぐ
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初期仏像ってどういう特徴があるのかを知る良い仏像です

飛鳥寺の歴史や見どころ、アクセスについて知りたい方は下記の記事もぜひ参考にしてみてください!

西大寺(奈良市)・『文殊菩薩騎獅像』

ちょっとありきたり感が出てきたところで、少しマニアック向けの仏像を紹介します。

3つ目にご紹介するのは西大寺の『文殊菩薩騎獅像』です。

基本データはこんな感じです。

  • 分類:重要文化財
  • 技法:木造
  • 年代:鎌倉時代・正安4年(1302年)
  • 像高:82.5cm
  • 場所:本堂
  • 初めて見た時の感想:目ぇがええわ、目ぇが…

奈良で一番好きな仏像は何かと聞かれれば、私は西大寺の『文殊菩薩騎獅像』を挙げます。

特に注目していただきたいのが、『文殊菩薩騎獅像』のキレ長の目!

何もかもお見通しと言わんばかりのクールな眼差しをされています。智慧(ちえ)を司る仏様だということがうまく表現された仏像です。

また、この文殊菩薩様はちょっとふてぶてしい(?)顔をした獅子の上に乗っていらっしゃいます。

獅子が「そこのけそこのけ、文殊菩薩様のお通りだぁ!」と言っているような感じで、今にも動き出しそうな躍動感や迫力があるところにも注目していただきたいです。

よつぐ
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文殊菩薩様と獅子のオーラは半端じゃありません

西大寺の歴史や見どころ、アクセスについて知りたい方は下記の記事もぜひ参考にしてみてください!

長谷寺(桜井市)・『十一面観世音菩薩立像』

4つ目にご紹介するのが長谷寺の御本尊『十一面観世音菩薩立像』です。

長谷寺『十一面観世音菩薩立像』の基本データはこんな感じです。

  • 分類:重要文化財
  • 技法:木造
  • 年代:室町時代
  • 像高:1018cm
  • 場所:本堂
  • 初めて見た時の感想:おぉ~…すげぇ~…
よつぐ
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こちらは私がお寺好きになったきっかけにもなった仏像です!

長谷寺の『十一面観世音菩薩立像』様は本堂の中央にデンっと立っておられます。

金色に光り輝き、その威厳あるお姿には圧倒されること間違いなし!

高さは10m超えで、「日本最大の木造の仏像」と言われています。

春と秋の年2回、本堂の中に入って観音様のお御足に触ることができるという特別拝観がありますが、近くに行くとその大きさがよりわかりますし、よくこんな大きなものが造れたなぁとしみじみ関心します。

特別拝観の時は、特に光背(こうはい:仏像の後ろにある飾り)の大きさにも注目していただきたいです。

よつぐ
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当然のことながら、お御足も大きいです笑

長谷寺の歴史や見どころ、アクセスについて知りたい方は下記の記事もぜひ参考にしてみてください!

中宮寺(斑鳩町)・『菩薩半跏像(伝如意輪観音)』

5つ目にご紹介するのが中宮寺の『菩薩半跏像』です。

中宮寺『菩薩半跏像』の基本データはこんな感じです。

  • 分類:国宝
  • 技法:木造
  • 年代:奈良時代(7世紀後半)
  • 像高:132cm
  • 場所:本堂
  • 初めて見た時の感想:ほわぁ~、きれいな~

正直言いまして、私自身これほどの美仏は見たことがありません!と言えるほどの仏像です。

片足をもう片方のももの上にのせ、何か考え事をされているようなお姿から「半跏思惟(はんかしい/はんかしゆい)」像とも言われます。

わずかな笑みを浮かべておられ、エジプトのスフィンクス、レオナルド・ダ・ヴィンチ作のモナリザと並んで「世界の三つの微笑像」と呼ばれているのにも納得です。

また、木造でありながら陶器のような光沢があって光り輝いておられます。

よつぐ
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本堂は畳敷きになっていますので、座ったまま心行くまでこの美仏を堪能してください!

中宮寺の歴史や見どころ、アクセスについて知りたい方は下記の記事もぜひ参考にしてみてください!

秋篠寺(奈良市)・『伎芸天立像』

6つ目にご紹介するのが秋篠寺の『伎芸天立像』です。

秋篠寺『伎芸天立像』の基本データはこんな感じです。

  • 分類:重要文化財
  • 技法:木造
  • 年代:頭部・奈良時代 体部・鎌倉時代
  • 像高:206cm
  • 場所:本堂
  • 初めて見た時の感想:はぁぁ~…ほんまに東洋のミューズやぁ

秋篠寺の『伎芸天立像』は「東洋のミューズ」と呼ばれていますが、正直言いまして「どうせ誇張して表現してるんでしょ」と思っていました。

しかし実際にお会いした瞬間、「ほんまに東洋のミューズやぁ」と思ってしまったくらいの美しさ(色っぽさ?)のある仏像です。

下から見上げていると、笑みを浮かべて何か口ずさんでいるように見えます。ただ、私自身は見る角度によって微妙に表情が違って見えました。

ぜひ色々見る角度を変えてご覧ください。

よつぐ
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書籍で見るお顔とは違って見えましたので、絶対に現地で見るべき仏像です

秋篠寺の歴史や見どころ、アクセスについて知りたい方は下記の記事もぜひ参考にしてみてください!

室生寺(宇陀市)・『十二神将立像』

最後におすすめするのが室生寺の『十二神将立像』です。

室生寺の『十二神将立像』の基本データはこんな感じです。

  • 分類:重要文化財
  • 技法:木造
  • 年代:鎌倉時代
  • 像高:95.4~104.8cm
  • 場所:金堂に6躯・寳物殿に6躯
  • 初めて見た時の感想:なんやこの動き笑

『十二神将立像』というと新薬師寺が有名ですが、室生寺の『十二神将立像』も決して負けてはいません。

金堂外陣の特別拝観時に写真撮影が許可されましたので、そちらの時のものをいくつかご覧ください。

ご覧の通り、それぞれバラエティに富んだポージングをしていて、そしてチャーミング。

こんな面白い仏像、見たことがない!って思うはずです笑

よつぐ
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室生寺の『十二神将立像』はそれぞれ干支にちなんだ名前が付けられていて、頭上にその動物の飾りが付いているところにも注目してみてください

室生寺の歴史や見どころ、アクセスについて知りたい方は下記の記事もぜひ参考にしてみてください!

新薬師寺(奈良市)・『薬師如来立像(香薬師像)』

以上のように、おすすめの仏像7つをご紹介しましたが、番外編として新薬師寺の『薬師如来立像(通称「香薬師像」)』も紹介させてください。

新薬師寺『薬師如来立像』の基本データはこんな感じです。

  • 分類:重要文化財(旧国宝)
  • 技法:銅造
  • 年代:飛鳥時代後期
  • 像高:73cm

新薬師寺の『薬師如来立像』は、光明皇后の念持仏(身近に置いていた仏像)と言われ、“白鳳期の傑作”とまで言われた仏像です。

ではなぜそんな傑作がここでは番外編扱いなのかというと、現在行方不明だからです…

実は新薬師寺の『薬師如来立像』は過去3回盗難に遭っており、昭和18年の3回目の盗難以降見つからないまま現在にいたっています。

ただ、運よく盗難前に実物をかたどった複製品が造られており、その複製品を見ることができます。

幼さの残る少年のような柔和なお顔立ちをされていますが、この背景を知ってみると、なんとなく憂いを感じる悲しげな表情にも見えます。

新薬師寺と言えば『十二神将立像』が有名ですが、ぜひこちらもご覧いただければと思います。

よつぐ
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私が行った時は、御本尊の薬師如来坐像の斜め前に置かれていました

新薬師寺の歴史や見どころ、アクセスについて知りたい方は下記の記事もぜひ参考にしてみてください!

最後に

以上、個人的にぜひ見ていただきたいと思う奈良の仏像でした。

おさらいすると次の7つ(+1)です。

  • 東大寺『盧舎那仏坐像』
  • 飛鳥寺『釈迦如来坐像(飛鳥大仏)』
  • 西大寺『文殊菩薩騎獅像』
  • 長谷寺『十一面観世音菩薩立像』
  • 中宮寺『菩薩半跏像(伝如意輪観音)』
  • 秋篠寺『伎芸天立像』
  • 室生寺『十二神将立像』
  • 番外編:新薬師寺『薬師如来立像(香薬師像)』

こちらに掲載できなかった仏像もあるので、ぜひ色々お寺を回ってみてください!

こちらの記事が仏像好きになるきっかけ、奈良のお寺好きになるきっかけになりましたら幸いです。

よつぐ
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京都の仏像編もあります!

下記の記事もぜひご覧いただけたらと思います