奈良古寺【久米寺】
久米寺の歴史
About History
久米寺は真言宗御室派の寺院で、正式名称は「霊禅山(れいぜんざん) 東塔院(とうとういん) 久米寺」です。

久米寺はどんな歴史を経たのか、簡単に見ていきましょう!

推古天皇2年(594年)に聖徳太子の弟である来目皇子(くめのおうじ)が創建したと伝わっています。
来目皇子は幼少の頃、眼病を患い、兄の聖徳太子のすすめで薬師如来に祈願したところ眼病が平癒したため、そのお礼として創建したとも言われています。
ただ、ヤマト王権の軍事部門を担当していた久米部の氏寺だったとも言われており、創建については正確にはわかっていません。
その後、大同2年(807年)に弘法大師・空海が久米寺にて真言密教を宣布したことから、「真言宗発祥の地」といわれています。
万治2年(1659年)には、仁和寺から多宝塔が移築されました。
久米寺の見どころ
Highlights
久米寺の見どころを次の2つ+1に厳選しました。

では、それぞれ詳しく見ていきますね!
瞳がキラリ!
御本尊『薬師如来像』
久米寺でぜひ見ていただきたいのが、本堂にいらっしゃる御本尊『薬師如来坐像』。

本堂内陣に入り、御本尊を拝ませてもらおうと思いましたが、幕があるだけで何もない…
御本尊はどこかに出張中なのか?とちょっと残念な気持ちになりながら本堂内をウロウロしていると、御本尊のすぐ前に通路があるのを発見。
その通路を進みもう一度幕の中を覗くと、そこにはドデカイ仏像(薬師如来)がいらっしゃいました笑

デカすぎて、最初に見た時は薬師如来像の胸元しか見えていなかったようです…
大きさはいわゆる「丈六(一丈六尺)」で、お釈迦様と同じ4.8m(坐像なら2.4m)ある仏像になっています。
薬師寺金堂の『薬師如来像』も同じ丈六の大きさですが、久米寺では近づいて見られる分、より大きく感じました。
目は半眼ではなく割とパキッと見開いた状態で、玉眼になっているのか、目に照明が当たってキラッと光っています笑
薬師如来は正式には「薬師瑠璃光如来」と呼ばれているので、まるで瑠璃光(美しい光)のように感じました。
ちなみに、本堂内に入るには拝観料が必要です。

受付の人がいない場合はインターホンを押してください
鮮やかなり!
あじさい
久米寺はあじさいの名所として知られており、境内の「あじさい園」では約40種3500株のあじさいがご覧いただけます。


見頃は例年6月初旬から7月初旬ごろで、6月の第3日曜日には「あじさい祈願」が行われます。

あじさい園には別途入園料がかかりますのでご注意ください
その他、久米寺では雪柳やつつじ、紅葉などもご覧いただけます。




人でごった返すということがないので、じっくり愛でたい方に人気です
知る人ぞ知る!
久米仙人伝説
「久米寺の歴史」でもお伝えした通り、久米寺は来目皇子が創建したとか、久米部の氏寺だったとか言われていますが、もう一つ「久米仙人が建てた」という説もあります。

なんでも、聖武天皇が東大寺を建立する際、久米仙人の仙術でもって建築資材を集めたことから、そのお礼として現在の久米寺の土地を与えられたのだとか。

川で洗濯する女性の白いスネを見て興奮し、一時的に仙術が使えなくなった時期があったとか…笑
ちなみに、本堂内にも久米仙人像(こちらは木像)があるのですが、なんとその像には久米仙人の毛と歯が埋め込まれているとか!
御本尊の薬師如来像と一緒に見てほしいので、ぜひ本堂内拝観をさせることをおすすめします。
ぐるっと久米寺
Around Kumedera
見どころで取り上げたもの以外で、久米寺の境内で気になったものをご紹介します。

境内をゆっくり一回りした場合の所要時間は25分くらいです
山門(仁王門)

久米寺の正門です。左右には仁王像がいます。向かって右側が口を開けた「阿形(あぎょう)像」で、左側が口を閉じた「吽形(うんぎょう)像」になっています。
本堂

寛文3年(1663年)に再建されました。御本尊の「薬師如来」の他、「日光・月光菩薩像」や「久米仙人像」など見ることができます。御本尊の裏側にも回ることができます。
多宝塔

本堂に向かって左側にあります。「久米寺の歴史」でもお伝えしましたが、こちらの多宝塔は元は仁和寺にあったもので、万治2年(1659年)に移築されました。
大塔礎石

山門を進むとあります。かつてここには東塔があったとされ、その礎石が残っています。多宝塔は元はこちらに移築されたそうです。
大日如来像

こちらの大日如来像は本堂に向かって右側にあります。ご覧の通り黄金に輝いています。大日如来は真言密教での最高位の仏様です。
御朱印

久米寺の御本尊である「薬師如来」と書いていただけます。御朱印は本堂内の拝観受付の方に書いていただけます。
アクセスと拝観情報
Access & Information
久米寺へは最寄駅から徒歩で行くか、最寄りのバス停まで奈良交通バスを利用して行く方法があります。
最寄駅から徒歩で行く場合
久米寺の電車の最寄り駅は近鉄「橿原神宮前」駅です。
橿原神宮前駅の西口から西に向かって行くと久米寺の山門に到着します。
徒歩だと約5分になります。
駅からバスで行く場合
久米寺の最寄りのバス亭は「久米寺前」です。
バス停の道路(戸毛久米線)を南へ進み、右へ曲がれる細い道があるのでその方向へそのまま進んでいきます。そうすると、久米寺の山門に到着します。
バスの乗車時間は橿原神宮前駅から約1分、近鉄大和八木駅から約14~22分、近鉄御所駅から約24分になります。
⇒橿原神宮前駅から「久米寺前」への時刻表
⇒近鉄大和八木駅から「久米寺前」への時刻表
⇒近鉄御所駅から「久米寺前」への時刻表
| 拝観時間 | 9:00~17:00 |
| 拝観料 | 【境内】 無料 【本堂内拝観】 大人:500円 |
| 所在地 | 奈良県橿原市久米町502 |
| TEL | 0744-27-2470 |
| ホームページ | なし |
| その他 | 無料駐車場有 |
ちょっとそこまで
Neighborhood
久米寺の周辺にある観光スポットやおすすめのスポットをご紹介します。

お時間があればぜひ一緒に行ってみてください
橿原神宮

久米寺の北側にある出入口からだとすぐに橿原神宮の境内(駐車場)に入ることができます。明治23年(1890年)に創建され、初代天皇・神武天皇と皇后・媛蹈鞴五十鈴媛(ひめたたらいすずひめ)を祀る神社です。
神武天皇陵

久米寺の北側にある出入口から北へ進み、徒歩19分ほどで到着します。初代天皇・神武天皇の陵墓で、正式には「畝傍山東北陵(うねびやまのうしとらのすみのみささぎ)」といいます。皇族の方々もよく来られます。
久米御縣神社

「くめのみあがたじんじゃ」と読み、久米寺の山門から南へ徒歩3分ほどで行けます。かつては久米寺の鎮守社となっていました。主祭神は「高皇産霊神」「大来目命」「天櫛根命」の三柱です。
久米寺周辺地図

以上、久米寺についてでした!
こちらのページが拝観のご参考になりましたら幸いです^^
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久米寺の宗派「真言宗御室派」の総本山です。世界遺産に登録されています。桜の名所とされ、背が低く遅咲きの「御室桜」が有名です。


