奈良古寺【般若寺】 

般若寺についてAbout Hannyaji

般若寺は積極的にSNSで発信をされており、家族連れやカップルの間に人気があるお寺です。

よつぐ
よつぐ

まずは般若寺の歴史について簡単に見ていきますね

真言律宗。正式名は法性山般若寺。

舒明天皇元年(629年)、高句麗の僧であった慧灌(えかん)法師によって創建されたお寺と言われています。

平城京の鬼門(北東)を護るため、天平7年(735年)に聖武天皇が伽藍を配置し卒塔婆(十三重石塔)を建て、その基壇に『大般若経』を納めたとされています。

その後、平家の南都焼き打ちによる焼失、鎌倉時代の復興、戦国時代の兵火による焼失、江戸時代の復興…というように、幾度も焼失と復興を繰り返して現在まで続いています。

般若寺は『平家物語』や『太平記』でも登場するお寺で、歴史好きには馴染みのある古寺です。

般若寺の見どころ5選Highlights

般若寺の見どころを5つ厳選してご紹介いたします。

よつぐ
よつぐ

ぜひここに注目しながら拝観してみてください

名前の由来にもなった十三重石宝塔

般若寺に入ると一際目立つのが「十三重石宝塔」です。いや、入る前にすでに外から見えています。

写真では小さく見えるかもしれませんが、高さは14.2mもあるので、その大きさに圧倒されるでしょう。

冒頭でも言いましたが、聖武天皇が十三重石塔を建て、その基壇に『大般若経』を納めました。般若寺の「般若」の由来は『大般若経』を納めたことから来ています。
※ただ、現在の十三重石塔は鎌倉時代に再建されたものなので、聖武天皇の時代のものではありません。

昭和39年(1964年)の大修理の際には、塔内から多数の宝物が見つかったようです。

別名 “コスモス寺”

般若寺は「コスモス寺」とも言われている通り、季節になると境内がコスモスで溢れます。

荒寺状態だった境内で前住職が一輪のコスモスが咲いているのを発見し、「多くの人にコスモスを見ていただき、心を和やかにしてほしい」との思いから始まったようです。

秋には30種類約15万本のコスモスを見ることができます。また、般若寺では秋だけでなく初夏に咲く初夏コスモスも見ることができます。

般若寺は今や家族連れやカップルにも人気の、奈良随一のコスモスの名所となっています。

奈良有数の映え古寺

般若寺では6月になると、初夏コスモスだけでなく紫陽花(あじさい)も見られます。初夏コスモスと紫陽花のコラボが見られるお寺なんて、そうそうないでしょう。

元プロボクサーの副住職さんがこちらの写真のように、ガラスボールに紫陽花を入れてSNSにアップするとこれが大反響。それ以来、奈良有数の”映え古寺(ばえこじ)”となりました。
アジサイガラスボールについてはこちらもご覧ください

今ではガラスボールの紫陽花だけでなく、造花のコスモスをハート型の花飾りにしたり、ガラスキューブにコスモスを入れてみたりと、さらに趣向を凝らされています。毎年どんなものが出てくるのか、楽しみになります笑

歴史の舞台を堪能

般若寺は平家物語や太平記にも出てくる、歴史の舞台にもなったところです。有名なのが、昔の教科書で取り上げられていたという大塔宮護良(おおとうのみやもりよし)親王の唐櫃(からびつ)のエピソード。

後醍醐天皇の子・大塔宮護良親王が倒幕運動をしたため幕府方から追われていた際、般若寺にかくまわれ、経蔵にある唐櫃(大般若経を納めていた入れ物)に身を潜めて難を逃れたという逸話です。

般若寺ではこの経蔵(写真)と唐櫃が残されています。

その他、南都焼き打ちをした平重衡を主人公とする「笠卒塔婆(重衡)」という能があるようですが、その題材となったとされる笠塔婆も見ることができます。

石・石・石

般若寺ではあちらこちらに石が置かれています。石仏、五輪塔、供養塔、般若寺について詠まれた俳句の碑など、その多さに圧倒されるかもしれません。

他にも、「カンマン石」「霊石・まかばら石」「こがね石」というものもあります。中でもユニークなのが、太平記に出てくる力持ちのお坊さん・般若寺本性房にちなんだ「力試しの石(写真)」。

重さの違う石が置かれていて、「あなたはどの石まで持ち上げられるかな」と書かれていてちょっと挑戦的…男性はいいところを見せようと無理をして腰を痛めないようにという注意書きに、くすっと笑ってしまいました。

ぐるっと般若寺Around Hannyaji

般若寺の境内には他にも注目してほしいスポットや展示物があります。
ここでは厳選してご紹介します。

よつぐ
よつぐ

境内をゆっくり一回りした場合の所要時間は30分くらいです

楼門

般若寺の西側にある門です、鎌倉時代に叡尊上人らによって再興された時に造られたものです。国宝に指定されています。

笠塔婆

笠塔婆形式の石塔としては日本最古で最大のものと言われています。能の謡曲「笠卒塔婆(重衡)」の題材となっています。

石仏

般若寺の境内ではこのような石仏が数多く見られます。こちらは「西国三十三所観音石仏」といい、病気平癒のお礼として奉納されたものだそうです。

供養塔

般若寺の境内には「平重衡」「大塔宮護良親王」「藤原頼長」の供養塔があります。いずれも般若寺に関わりのある人物です。

カンマン石

拝観受付を入って目にするのがこのカンマン石です。突起部にお腹や背中を当てると健康が増進するようですが、どこが突起部なのかわかりづらい笑

霊石まかばら石

人の運気を上昇させる霊験があるといわれる石です。呪文を唱えて石の頂部分を右回りに3回なでると良いそうです。呪文は掲示板に書かれています。

ハート型花飾り

造花のコスモスをハート型にした花飾りです。映えること間違いなしです。写真撮影で混み合うので注意してください。

ガラスキューブコスモス

ガラスキューブに入れられたコスモスです。とてもおしゃれで、こちらも映えること間違いなしです。

御朱印

般若寺の御朱印は各種ありますが、一番オーソドックスな「妙吉祥」にしました。般若寺ではしおりも付けてくださいます。

アクセスと拝観情報Access & Information

般若寺へは最寄りのバス停まで奈良交通バスを利用して行きます。

JR奈良駅、近鉄奈良駅から出ている奈良交通バスをご利用される場合は、バス停「般若寺」で降ります。

バス停から北の方角(上り坂)へ向かっていくと般若寺の看板が見えますので、そちらで左へ曲がります。バス停から約3分で着きます。

バスの乗車時間はJR奈良駅からですと約11分、近鉄奈良駅からですと約6分になります。
JR奈良駅から「般若寺」への時刻表
近鉄奈良駅から「般若寺」への時刻表

拝観時間9:00~17:00
(最終受付 16:30まで)
※短縮拝観時(1月・2月・7月・8月・12月)は9:00~16:00
拝観料
(通常期)
大人:500円
中学生・高校生:200円
小学生:100円
拝観料
5/25〜6/30
(アジサイ期)

9/21〜11/10
(コスモス期)

※いずれも年によって
前後する場合あり
大人:700円
中学生・高校生:300円
小学生:200円
所在地奈良市般若寺町221
TEL0742-22-6287
ホームページhttp://www.hannyaji.com/
その他有料駐車場有

ちょっとそこまでNeighborhood

般若寺の周辺にある観光スポットやおすすめのスポットをご紹介します。

よつぐ
よつぐ

お時間があればぜひ一緒に行ってみてください

旧奈良監獄

般若寺の西側に徒歩5分ほどのところにあります。「明治五大監獄」の中で、唯一原形を保っている建物です。2017年まで少年刑務所として使われていまいたが、今後は「星野リゾート」の日本初の監獄ホテルになります。

五劫院(ごこういん)

般若寺からは南へ徒歩12分ほどのところにあります。螺髪(らほつ)がアフロヘアのようになったユニークな仏像、「五劫思惟阿弥陀仏坐像」を拝観することができます。ただし秘仏なので期間限定です。

般若寺周辺地図