奈良古寺【大安寺】 

大安寺についてAbout Daianji

大安寺は民家や畑に囲まれた静かなところにあり、病気平癒を願って訪れる方が多い古寺です。

よつぐ
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まずは大安寺の歴史について簡単に見ていきますね

高野山真言宗。山号はなし。南都七大寺の一つ。

聖徳太子が建立した「熊凝精舎(くまごりしょうじゃ)」が後に官寺(国立寺院)となり「百済大寺」へ、次いで藤原京で「高市大寺」「大官大寺」となり、平城京遷都に伴って「大安寺」となりました。

全盛期は東大寺や興福寺と並ぶ規模の伽藍で、国の筆頭寺院として仏教の総合大学のような様相を呈していました(空海や最澄も学んでいたと言われています)。しかし、災禍などによりほどんどの伽藍が焼失し、次第に衰退していきました。今現在の境内は当時の4%ほどの面積しかありません。

明治から平成にかけて、本堂の再建をはじめ讃仰殿(さんぎょうでん)や嘶堂(いななきどう)の建立など伽藍整備が進められました。現在も引き続き整備が進められています。

大安寺の見どころHighlight

大安寺の見どころを厳選してご紹介いたします。

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ぜひここに注目しながら拝観してみてください

寺に伝わる
『天平ナイン』

大安寺は創建時の建物が一切残っていませんが、そんな中でも奈良(天平)時代に造られた9体の仏像は残っています。

  • 十一面観音立像
  • 馬頭(ばとう)観音立像
  • 不空羂索(ふくうけんさく)観音立像
  • 楊柳(ようりゅう)観音立像
  • 聖(しょう)観音立像
  • 四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)
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堂内は撮影禁止で、書籍やパンフレットにも著作権があるため仏像の写真が載せられません。ぜひ現地でご覧ください!

奈良時代の仏像は粘土や銅で造られたものが多い中、こちらはすべて当時では珍しい木造で、しかも一本の木から造られた「一木造」というから驚きです。

残念ながら、十一面観音立像と馬頭観音立像は秘仏のため普段は見られませんが、残りの7体は讃仰殿(宝物殿)でご覧いただけます。

特に楊柳観音様は、「観音様」とはいうもののなかなか怖いお顔をされているので必見です…讃仰殿内は椅子が置かれているのでぜひゆっくりご覧ください。

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千年以上経っても木の質感や木目もはっきり残っているところに驚きです!

大寺院の面影
『東塔・西塔跡』

元々日本のお寺は塔が1つでしたが、薬師寺で初めて塔が2つある「双塔式伽藍」が採用されました。以降、その他のお寺でも双頭式伽藍が採用され、大安寺でも同様に採用されました。

しかし、大安寺の両塔はいずれも焼失してしまい、現存していません。
※東塔・西塔ともに七重塔で、高さが70mほどあったと考えられています。

現在は東塔・西塔ともに基壇が整備されており、その基壇を見るだけでも相当大きな塔だったことがわかります。また、お寺もそれに見合った大きなお寺だったことが容易に想像できます。

ちなみに、西塔跡には七重塔の心礎(心柱を立てる礎石)が今なお残されています(下図左側の大きな石)。

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東塔・西塔跡は南門から南へ150mほど行ったところにあります。ぜひ一緒にご覧ください。

別名
「癌封じのお寺」

大安寺は「癌封じのお寺」として知られており、ご自身やご家族の病気平癒を願って来られる参拝者は後を絶ちません。

本堂では癌封じの御祈祷を行ってくれますし、寺務所では癌封じのお守り・癌封じの念珠・癌封じの箸が売られています。

そして癌封じといったら有名なのが1月23日と6月23日に行われる「癌封じ笹酒祭り」。

大安寺癌封じ笹酒祭り

1月23日は「光仁会(こうにんえ)」といって、健康長寿だった光仁天皇が大安寺を参拝された折、竹にお酒を注いでお召し上がりになったことに由来し、笹酒が振る舞われます。

6月23日は「竹酔日(ちくすいび)」といって、竹供養がされる日です。こちらでも光仁会と同様笹酒が振る舞われます。

いずれも当日は癌封じ祈祷が行われ、毎回多くの参拝客でにぎわいます。

ぐるっと大安寺Around Daianji

大安寺の境内には他にも注目してほしいスポットや展示物があります。
ここでは厳選してご紹介します。

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境内をゆっくり一回りした場合の所要時間は40分くらいです

本堂

癌封じの御本尊で秘仏の「十一面観音立像」が安置されています。堂内は渋いお線香のにおいがします。拝観可能ですが、御祈祷の際は拝観できません。

南門

大安寺の正門です。かつての南大門の基壇の上に立っています。こちらの門は、興福寺一乗院(廃寺)の門を移築したものだそうです。

中門跡

南門を進むとあります。大安寺の元々の伽藍では南門の先に中門があり、その先に金堂や講堂があったと考えられています。

讃仰殿

中門跡の先にあります。こちらでは大安寺に伝わる天平時代の仏像の他、旧伽藍をCGでバーチャル拝観できたり、大安寺の紹介動画が観られます。

嘶堂

本堂の裏にあるお堂です。こちらには「馬頭観音立像」が安置されています。ただし秘仏のため、普段は閉じられたままになっています。

お砂踏霊場巡り

嘶堂の隣にあります。大安寺は高野山真言宗なので、四国八十八箇所のお砂踏みができます。また、インド八聖地のお砂踏みもできます。

ダルマさん

大安寺の境内では至る所に写真のようなダルマの置物が見られます。こちらは「だるまみくじ」というおみくじの抜け殻(?)です。

美流孔(みるく)塚

女性の乳房のかたちをした石造物です。大安寺の信者で乳癌を患われた方が、無事完治した御礼に建立されたそうです。撫でると良いそうです。

御朱印

大安寺の御朱印は本堂に向かって左側にある寺務所でいただけます。「南無佛」と書いていただけます。

アクセスと拝観情報Access & Information

大安寺へは最寄りのバス停(「大安寺」)まで奈良交通バスを利用して行くと便利です。
※JR奈良駅、近鉄奈良駅から直通バスが出ています。

バス停から南西の方角へ約10分歩くと大安寺の南門へ着きます。

バスの乗車時間はJR奈良駅からですと約6分、近鉄奈良駅からですと約10分になります。
JR奈良駅から「大安寺」への時刻表
近鉄奈良駅から「大安寺」への時刻表

拝観時間【拝観】
9:00~17:00
(最終受付 16:00まで)

【御祈祷】
9:00~15:30

※いずれも12/31はお休み
拝観料【通常拝観時】
大人(大学生以上):600円
高校生以下:300円

【特別拝観時】
大人(大学生以上):800円
高校生以下:400円

※団体割引あり
所在地奈良市大安寺2-18-1
TEL0742-61-6312
ホームページhttps://www.daianji.or.jp/
その他無料駐車場有
※ただし、イベント開催時等で利用不可の場合あり

JAFクーポン利用可

ちょっとそこまでNeighborhood

大安寺の周辺にある観光スポットやおすすめのスポットをご紹介します。

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お時間があればぜひ一緒に行ってみてください

八幡神社

大安寺の南(東塔・西塔跡までの途中)にある神社です。大安寺の鎮守社となっていました。京都の石清水八幡宮の本宮という伝承から「元石清水八幡宮」とも呼ばれています。応神天皇・神功皇后・仲哀天皇を祀っています。

元興寺

大安寺から北東へ車で11分ほどのところにあります。大安寺と同様、南都七大寺の一つです。蘇我馬子が飛鳥に建立した日本最初の本格寺院「法興寺(飛鳥寺)」が平城遷都の際に移転し、「元興寺」となりました。
元興寺についてはこちらをご覧ください

大安寺周辺地図